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2013/12/21

次のフェイズに入った日本のコワーキング

※このブログは、コワーキング Advent Calendar 2013に参加して書いております。 

この12日に閣議決定した、平成25年度補正予算案において、新規に創業を行う個人や、中小企業・小規模事業者等をサポートする「創業・ベンチャー支援事業」として51.3億円が計上されました。

ここで注目なのは、起業・創業者だけを支援するのではなく、「新事業創出に係る支援事業者」についても助成を行う予算があり、これには「創業者への継続的な経営指導やビジネススキルアップ研修、コワーキング事業など」が該当する、という点です。

下記のPDFの12~13ページ目にあります。
http://www.meti.go.jp/main/yosan2013/pr/pdf/20131212_01.pdf

国家予算の中に「コワーキング」という文言が入るのは、これが最初かと思います。このことは、2010年よりコワーキングを開始し、昨年、日本のコワーカーをつなぎ、エンパワーしてその社会的ステータスの底上げを図り、もって社会が要求する最良のソリューションを提供するためにコワーキング協同組合を設立した身からすると、大変意義深い前進だと受け止めています。

9月に開催されたコワーキング・アジア・カンファレンスには、アジアの各国から参加されましたが、印象的だったのは、国家レベルでコワーキングに取り組んで、そのプラットフォームから新規創業を促進し、ビジネスにイノベーションを起こそうとしている国がいくつもあったことです。

それらに比べれば、今回の補助金制度はまだまだだと思いますが、それでも、来るべき「第5ワーク時代」(後述)に対処する意味も含めて、ようやく行政がその第一歩を踏み出したということを率直に喜んでいます。

このことはまた、日本のコワーキングが次のフェイズに入ったことを示しているとも考えています。ただし、その鳥羽口に立った、という意味でですが。

ボクは1年前、コワーキングを「会場」から、コトを起こす「現場」へと変えたいと書きました。今年、そのことを進めながら、「コワーキングというしくみ」がフリーランサーやスモールカンパニーの集まる「働き場所」という役割だけにとどまらず、この社会に不可欠なインフラとして位置づけられ、整備される時期に来ていると考えるに至りました。

それは例えば、どこの町にも図書館や公民館があり、地域住民に利用されているように、コワーキング(あるいは、名称はなんでもいいのですが、要するに共用ワーキング・コミュニティ)もまた、行政が直接・間接的に運営に係る施設として存在するべき、ということを意味しています。

コワーキング・スペースの開設・運営には、資金的、人材的に相当なパワーが必要です。にも関わらず、全く民間の努力に依存するのは、実際のところ無理があります。ましてその条件は、都市圏と地方とではかなりの差異があります。とりわけ、利用者数の少ない地方においては厳しいものがあります。

しかし、今後ますます増大するフリーランサーやスモールカンパニーというワークフォースがその能力を発揮する場は、地方においても不可欠です。地方行政、地域の企業等々との相関関係を前提に、地域経済を活性化するひとつの方法論としてコワーキングの活用を実践する、そういう時代に入ったと見ていいと思います。

今回の補助金は大変有難いことではあります。もちろん、我々も、この制度に参加し、コワーキングの普及と定着化のために有効に活用したいと考えています。しかし、助成金という制度は一時的な施策であり、必ずしも毎年実行されるとは限りません。事実、昨年、兵庫県加古川市で開設されたコワーキングスペースは、市当局が厚労省の助成金制度をアレンジしてスタートしましたが、その助成金は初年度に限るものでした。(ただいまは、補助金なしで自立運営されています)

そうではなくて、前述の図書館や公民館のように、毎年、相応の予算を組んでその運営費に充てる、というスキームが必要です。ご存知の方も多いと思いますが、国内の公立図書館の多くが民間の図書館運営会社に業務委託されています。それと同様のシステムでコワーキング・スペースを運営することも、そろそろ考える頃だと思っています。

ところで、つい先ごろ出版された"The Fifth Age of Work: How Companies Can Redesign Work to Become More Innovative in a Cloud Economy"では、企業のワークスタイルの変化と共に、企業とフリーランサーとのコラボを大きなテーマに取り上げています。(この本については、また改めてご紹介します)

アメリカのフリーランサー人口は4200万人に登ると言われており、もはや無視できないワーキングパワーとなっています。日本もいずれ、そうなるだろうことは想像に難くありませんが、コワーキングというプラットフォームが、企業とフリーランサーのコラボの現場になる可能性は非常に高いと考えています。そのためにも、どの地域にもコワーキングを整備することが望まれます。

そしてまた、コワーキング協同組合がなすべき事業のひとつが、その企業とのコラボです。これまでフリーランサーにリーチする術を持たなかった企業が、組合を通して互いのつながりを模索するという段階に入ってきており、問い合わせが増えてきています。早晩、双方のポテンシャルを活かせるコラボがいくつも生まれ、これは今後、ごく普通に採用される選択肢になると思います。

コワーキングは、働き方のひとつという概念から、この社会を成り立たせるために不可欠な「核」になろうとしています。今ある社会をよりよいものにするために、各地にコワーキングを整備し、企業とのコラボも推進する活動を、コワーキング協同組合では続けてまいります。


ということで、スミマセン、また長くなってしまいました。コワーキング Advent Calendar 2013の次のブログは、山﨑ケンちゃんです。よろしくです!

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